登場人物のコミカルな会話も楽しめる本格推理小説「その可能性はすでに考えた」/井上真偽

読書

いい意味で期待を裏切ってくれた小説です。

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になってました。
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Unlimited会員の方は、ぜひ!

こんな人にお勧め

推理小説は頭を使いますね。
あれがどうで、こうなって。
論理的な思考を鍛えるのにもってこいの
素材かと思います。

この本は下記のような方にお勧めです。

  • バリバリのロジック中心の推理小説が読みたい。

いつもなら3つ書くのですが、これについては
どうにもこうにも1つしか出てきませんでした。

推理をとことん楽しめる小説なのです。

推理小説って、大きく2つのジャンルに分かれると思うのですが
こちらの小説は後者になります。

  • 犯人がなぜ犯行に及んだのか?
    動機を中心に推理していくタイプ。
    (犯人の感情を中心に話が進む)
  • 犯行不可能に思える状況下の中
    どのような手段で犯行に及んだのか、
    を解いていくタイプ。
    (犯行の手段を中心に話が進む)

常識は場所と人に依存する

推理小説なのですが、気になる一文がありました。

常識は絶対不変の真理ではありません。常識は常識です。

その可能性はすでに考えた

常識だと思っていたものは、時間・場所を変えたら
非常識になったりしますよね。

常識とは?
その場所(集団)では言わなくてもわかる共通認識、だと思っています。

これを経験したのは、転職した時でした。

10年以上同じ会社にいたので、その会社での常識(文化)が
当たり前と思ってました。
ところが他社に移ったときに、常識が全くちがうのです。
やり方どころか考え方まで全く違い、戸惑いました。
同じ業界内での転職だったので、そんなに変わらないだろう
と思っていたら甘かったですね。
異業界に転職したのかと思うくらい、違っていたので
仕事の内容云々よりも、会社の文化・所属している人間の考え方の違い
に慣れるのが大変でした。

所属する人の文化・思考の集まりで一つの会社(組織)が
成り立っています。
その場所では常識と思っていたものも、他では常識と思われない
のは日常生活でもありますよね。
(旅行した時とか)
今までの常識を持ったまま、異なる常識の中に飛び込むのは
リスクがあるんだなーって思いました。

それをチャンスととらえる考え方もあります。
自分の常識に疑問を持つきっかけにもなるので、
考え方に柔軟性をもたらせる機会にもなります。
「自分はああいう風に考えていたけど、こういう考え方もあるよね」
と、一つの考えに固執しなくなってきます。
(それを繰り返すことで会社の文化に慣れていくんだよね)

常識は常識。
同じ組織であっても、人それぞれ持っている常識は違うよなー。
この言葉で転職時に感じた違和感を思い出しました。

評価

エンタメ度 ★★★★☆
ロジック度 ★★★★☆
おすすめ度 ★★★★☆

難事件を探偵(上笠)と相方(フーリン)とその仲間たちが解いていく
というもの。

この小説、出だしはまるでラノベのようなノリなのです。
表紙のイメージとずいぶん違うなー、って印象だったのですが
①と②のパターンが交互に繰り返され、ストーリーが進んでいきます。

①上笠とフーリン、その仲間たちの会話は
 ものすごく砕けたラノベ調。

②軸になる推理部分は締めた文章で
 しっかり読ませます。

何が雑談(息抜き)で何が謎解き(本題)なのかが
はっきりしているので、リズムにのって読んでいくことができます。

作者のこだわりなのかな?

論理的思考で頭をフル回転させたい方は是非!

キキ のROOM - 欲しい! に出会える。
アラフォー・共働きワーキングマザー(2児の母)。 趣味は読書と観劇。 本は小説、エッセイ、漫画、ビジネス書等、雑食系ブックラバー📚 歴史はちょっと苦手🤏 歴史初心者でもとっつきやすい本を教えてほしい😓 観劇はコロナにつき、お休み中。 コロナが落ち着いたら娘と観劇に行くことが夢。
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