出会うはずのない二人が出会って起きた悲劇「彼女は頭が悪いから」/姫野カオルコ 著

読書

それを言っちゃあおしまいよ、なタイトル。

えげつない内容ほど、人の興味を掻き立てる。
これぞ、人間の本性なのではないだろうか。

事実は一つでも、真実は人の数だけある。
私の好きな漫画「ミステリと言う勿れ」整のセリフの一つである。

まさにそれをテーマにした小説でした。

こんな人にお勧め

とにかく人間のいやーーーーな本性が最初から
最後まで描かれている。
誰かの嫌らしい面が気になるのは、自分にも
その要素があるからなのではないか。
他人のそれを見て、自分を振返り戒める。
そのような本であった。

  • 人間の本性(特に人に言えないような嫌な面)を垣間見たい人
  • 東大生の起こしたわいせつ事件の裏側を知りたい人
    (フィクションですがかなりリアル。)
  • タイトル・帯にひかれた人
    (私は林真理子先生のコメントにやられました)

タイトルは被告の一人のセリフだという

女子大生を弱者、東大男5人を強者と
明確に白黒つけて書いているわけではない。

起きたこと、事実を淡々と描いている。
創作小説と著者は言っているが、まるでノンフィクション
の世界にいるのではないかと錯覚するほどリアルだ。

彼らがしたかったことは、偏差値の低い大学に通う生き物を、大嗤いすることだった。

彼女は頭が悪いから

被害者を「生き物」と表現し、笑うではなく「嗤う」と
書いた著者の表現力には感服である。

本著は、被害者、被告が出会う前(高校生時代)から事件が起きるまで
を描いている。

偶然がパイ生地のように重なり合い
通常出会うはずのない二人が出遭ってしまった。
そこに待ち受けていたのは、地獄の始まりだったのだ。

評価

青春度 ★☆☆☆☆
面白度 ★★★★☆
話題度 ★★★☆☆

ラストで東大(被告)の一人が逮捕されるのだが
残り4人のお痛の撤収の速さはさすが、東大の頭脳の持ち主である。
何すればいいのか、わかっている。笑

東大に入るほどの頭脳をもっと他のことに使えなかったのかな?
暇のなせる業なんだろうなー。

出身校や企業名の肩書がなくても
一人の人間として魅力的な人間になりたいものである。
(自分への戒めを込めて)

キキ のROOM - 欲しい! に出会える。
アラフォー・共働きワーキングマザー(2児の母)。 趣味は読書と観劇。 本は小説、エッセイ、漫画、ビジネス書等、雑食系ブックラバー📚 歴史はちょっと苦手🤏 歴史初心者でもとっつきやすい本を教えてほしい😓 観劇はコロナにつき、お休み中。 コロナが落ち着いたら娘と観劇に行くことが夢。
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